近畿・京都最北端の宇川観光案内所
- Matazaemon&Co.
- 2023年8月6日
- 読了時間: 8分
更新日:2023年8月10日
宇川のちょうど真ん中・久僧(きゅうそ)にある宇川観光案内所では、まずは猫たちがお出迎えしてくれます。シャイなジロ姫とチビ子に、人懐こいキキ。保護猫の預かりボランティアもしているので、たまにもっといるときも。

猫たちの日課である「海散歩」は、お天気の良い海へ。人の少ない時期は毎日3匹+私で海へ。お散歩だいすきなキキが競走馬のような足音を立てながら先頭を走ります。おデブのチビはマイペースにトコトコ。まるで修行のようにコツコツと歩きます。お姫様のジロは、行きは遅いけど、帰り道は猛ダッシュ。なぜならお嬢様だから(笑)。

そんな猫たちのお気に入りの海は、久僧海水浴場。
サラサラの白砂が広がる、そんなに大きくない海水浴場。夏でも浜店は無いけど、アイスキャンディがあったり、飲み物もビールやソフトドリンクなど電話か連絡所にいる連絡員に注文すれば、海水浴場を運営している宇川観光案内所が配達してくれます。
何よりも素敵な景色は、その砂浜ですが、実は海中にも見どころが。
海中に沈められたリーフが、天然の水族館になっているのです。
ちょうど遊泳標識が置いてあるあたりに、蜂の巣のような形のリーフが平たく海中に沈められているので、リーフまで泳いでいってそっと海中を除けば、大きなイシダイ君やベラちゃん、キス君など、夏ならではのお魚たちに出逢うことができます。
ちなみにこのリーフ、京都府が沈めた、久僧海水浴場の砂が波で持っていかれないようにする苦肉の策。久僧海水浴場は大浜と呼ばれ、かつてはここで運動会も開催されるほどの大きな砂浜でした。しかし、中浜港を整備した際に、すっかり潮の流れが変わってしまいました。それ以来、久僧海水浴場の白砂は、どんどん中浜へ運ばれ、逆にかつては東浜と呼ばれた中浜は非常に浅い湾海へと変化を遂げました。
久僧の海は湾の様にはなっていないので波が高い時もありますが、それは水がきれいな証拠。常に水が循環し、その透明度と美しさを保っているのです。波が高めの時は天然のウォータースライダーのように波打ち際で浮き輪遊びを、凪の時は海中を眺めて天然の水族館体験を、時にはSUPで海の洞窟ツアー体験を、様々な表情を見せる久僧の海だからこそ楽しめる形が、ここにはあります。
地域的に宿泊キャンプを許可していないので海水浴のゲストは少なめですが、砂浜のどこでもBBQができることもあり、最近では欧米のゲストや移住者もじわじわ増えてきています。欧米型の、自分で愉しみ方を知っている人向けの大人な海水浴場・久僧海水浴場。今年も元気にOPENしています。
春秋冬の久僧海岸
春秋冬は別の楽しみがここにはあります。久僧海水浴場~中浜港にかけてのベイサイド道路がとても気持ちが良いのです。宇川観光案内所のキキも、ハーネスをつけてたまにお散歩に行きますが、おすすめは春秋。ウミネコの営巣・産卵をまじかで見られるトテカモウ(宇川ゴジラ岩)や城岩、カエル岩。岩の上にある一万度明神からの景色は絶景です。冬の有訴海岸は、日本の海の荒波がざっぱーん!と押し寄せる海岸通りになります。波の花もちらほらと降るその海岸道路には、欧米の方が写真を撮りに来られたりする隠れ撮影スポット。ただ波をかぶっているので車がさびるため、帰宅後は車をしっかり水洗いしてくださいね!
のんびりと歩く先々に、そんな景色が広がる久僧海岸道路。ウミネコの営巣を見つめすぎて攻撃されそうになったり、ワカメが干してある風景に出逢ったり、波をかぶってしまったり、釣り人と出逢い釣りがしたくなったり(笑)。久僧船引場では、磯にいる生き物たちに出逢えることでしょう(船引場の斜面はくぎなどが打ち込んであるので歩くときは細心の注意を!)。途中にある豊住神社は無人だけど由緒ある神社。ちょっと試しにお参りしてもいい。散歩する地元の人に出逢えば、挨拶がてら話をすれば、案外おもしろい情報に行きつけるかもしれませんね!
そんな久僧海岸から徒歩5分にある宇川温泉よし野の里
宇川にある唯一の商業施設、宇川温泉よし野の里。
京丹後市が建設し、指定管理者を公募して運営をしています。
低張性アルカリ性高温泉のお湯はとても濃くとろとろしています。
象設計集団による温泉施設の設計は、木がふんだんに使用され、小高い丘に在るその建物はとても美しく、宇川の地になじんでいます。
宇川温泉の立地するのは久僧ですが、すぐ隣に中浜という漁師町もあります。久僧と中浜という隣接した村でありながら、その全く異なる性格を2つの湯舟で表現、
漁師町・中浜を「海の温泉・竜宮」、農耕の町・久僧を「山の温泉・香具夜」としました。各湯船の名前も宇川の地元の方が考えられたもので、宇川の村人たちの思いがいっぱい詰まった素敵な温泉です。
春の遠下
春といえば桜。宇川でも桜の名所があります。”遠下”と書いて”おんげ”と呼ばれる地域です。この地域は依遲ケ尾山(いちがおさん)のふもとに在り、大変小さな集落です。遠下のさらに奥には鞍内や小脇、三山と小さな集落が続き、細川ガラシャの隠棲地である味土野へも近く通じています。また、遠下の反対側のふもとの集落が矢畑(やばた)という地域になります。
小さな遠下をちょうど二つに分けるようにある大きな桜の古木。いつまでも元気でいてほしいと思わず願ってしまうその大きな桜の古木が続く先の集落は、ギネスに認定された長寿世界一の方が住まわれていた地域です。
その古木の少し先に在る山根橋は、そこにかかる桜と橋の絶景が、思わずカメラを向けたくなる撮影スポット。新緑の季節には、橋の下でアユ漁がおこなわれます。
普通なら通り過ぎてしまうその場所は、まるで切り取られた世界のように、四季折々に美しい光景が広がります。
いちがお山サクラ街道ゴーリフ
遠下から依遲ケ尾山に登る道路沿いには、八重桜が植樹されています。道路が作られたときに、遠下の人たちと土木業者が一緒になって植樹した八重桜。今でも毎年美しい花を見せてくれます。ちなみに、依遲ケ尾山登山口~矢畑側の道路沿いにはソメイヨシノが植樹されています。4月初旬~中旬のソメイヨシノ、4月下旬以降は遠下側の八重桜と、ずっと桜を楽しめるサクラ街道ゴーリフ。宇川の知られざる桜の名所です。
丹後一の霊峰「依遲ケ尾山」と「依遲神社」
かつては依遲ケ尾山にも集落がありましたが、今は遠下と矢畑、それぞれ依遲ケ尾山のふもとに降りて集落を形成しています。宇川側にあるのが遠下ですが、遠下には、かつて依遲ケ尾山・山頂にあったと言われている依遲神社(いちじんじゃ)が、今でも村人に守られ、静かに、神秘的なパワーをまとい鎮座しています。その依遲神社の両脇に在る杉の木は、依遲神社を山頂から下ろしてきた際に移植してきたものだと言われています。そっと触れれば、そのパワーが少し伝わてくるような気がする、パワースポットです。
依遲神社の参道沿いに在る「イボ地蔵」
まるでアニメの異世界への入り口のような雰囲気を醸し出している遠下のイボ地蔵。集落の人の手で今も大切にされているお地蔵さまですが、そこへ続く道は、いちがお川に隔てられた昔変わらず獣道。清々と流れるいちがお川を石伝いに渡り、だれかが歩くことによって踏み分けられてできたその獣道を上ると、その先にみえてくるのが「イボ地蔵」。なでるといぼが無くなると言われているお地蔵様で、不思議な雰囲気をまとっています。
いつ見てもきれいに草刈りがされていて遠下の皆さんの気持ちが伝わる、素敵なお地蔵様。これからもずっとそこで鎮座していてほしいと願います。
初夏の宇川・袖師の棚田の絶景
初夏の宇川は、そこここで田植えが始まります。水の張られた水田は大変美しく、人と自然の営みとそのパワーを感じる景色。その中でも袖志に在る棚田は、かつて”棚田百選”にも選出されたほどの絶景スポット。少しわかりにくい農道の入り口を入り、農家さんの営みを感じながら、農道をゆっくりと登ります。背に広がる日本海を感じながら、時には横に見ながら、山際まで登って一息。そこからの眺望は、だれもが”わぁ~”と声を上げてしまう気持ちの良い絶景が広がります。
冬の宇川
やはり一番有名なのは”間人蟹”(たいざがに)と呼ばれる松葉蟹。遠くは越前の方からも漁に来ると言われる経ヶ岬沖の漁場は、漁師さんたちによって漁礁を沈めるなどとても大切にされてきました。実はその経ヶ岬がある場所が宇川地域。最も漁場に近いのが宇川地域なのです。
経ヶ岬灯台は、1898年(明治31年)12月25日初点灯した灯台で、第1等フレネルレンズを使用した第1等灯台に指定されています。フランス製のフレネルレンズは、日本では他に4か所でしか使用されていません。レンズを回転させる装置は、水銀槽式回転機械と呼ばれるもので、1893年にフランスの灯台技師、ブールデーユ氏が重いレンズを円滑に回転させるために発明したもので、パリ万国博覧会に展示されていたものを購入して経ケ岬灯台に設置しているそうです。(出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』https://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B5%8C%E3%83%B6%E5%B2%AC)
丹後半島北端を構成する経ヶ岬の周囲は、安山岩による柱状節理の発達した海食崖になっていて、経ヶ岬灯台への遊歩道の他、柱状節理への遊歩道も整備されていますので、少しゆっくりと散策&トレッキングがおすすめです。歩くときは猿に注意してくださいね!
疲れたら、久僧海水浴場から徒歩3分の宇川観光案内所へ。
久僧海水浴場から宇川観光案内所までは、徒歩3分、宇川温泉よし野の里は徒歩5分の場所に。疲れたら休憩にいらしてください。
冷たいビールやコーヒーに、夏はクーラー、冬はストーブをつけてお待ちしています(^^)
宇川観光案内所でできること。
・休憩(窓側カウンター席x3、テーブル席2x2、案内カウンター席)
・宇川の観光案内、困りごとのサポート
・ビール、地酒の販売、配達(宇川地域内)、角打ち(立ち飲み)
(宇川で唯一のビールなどお酒販売所です)
・セルフコーヒー
・ソフトドリンクの販売
・うかわさんぽマップ配布
・近畿・京都最北端到達証明書の発行
・無料WiFi
・久僧海水浴場の運営実施中
・宇川温泉よし野の里の温泉入浴券の販売
・宇川温泉よし野の里まで徒歩5分
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